素材で選ぶ
風呂敷の素材は時代とともに様々なものが使われたり、また使われなくなったりもしています。風呂敷の素材それぞれの特性を知り、用途や目的に合わせて素材をお選びいただくとよいでしょう。また、素材、染色方法によりお手入れ方法も異なりますので、風呂敷を大切に、長くお使い頂ければと思います。
風呂敷の素材と染色方法
風呂敷の素材 | 特徴 | |
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天然素材 | 木綿 | 丈夫なので大きなものや重い荷物をしっかり包むのに適している カジュアルな柄物も多く普段使いで楽しめる |
正絹 | 軽く柔らかで光沢があり、冠婚葬祭などフォーマルな場に適している | |
化学合成繊維 | レーヨン | 価格が手ごろで、記念品やラピッングの素材に適している |
ポリエステル |
染色方法 | 特徴 | ||
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反応防染 | 染料と繊維を化学反応で染めつける。 色落ちしにくいが、発色が生地に影響されることがある。 |
生地の裏まで染まるので柄も裏面に抜ける | シャープな柄が表現できないことがある |
型友禅 | 型を使って染料を生地にのせていく | 柄をシャープに表現できる 多色使いに向いている |
裏面には色が通らない |
引き染め | 一枚一枚刷毛を引いて染めるため、少ない数でも作れる 刷毛使いの繊細な表現ができる |
柔和で深みのある色に仕上がる グラデーションがきれいに出せる |
シャープな柄が表現できないことがある 量産には不向き |
転写 | 顔料を繊維に写し取る方法高温・高圧で染色するため生地の風合いが削がれることがある | 繊細な柄の表現か?できる水に強く、変色しにくい | 色に深みが出しにくい |
風呂敷のお手入れ方法
お手入れの方法も素材によって違ってきます。お気に入りの風呂敷を長持ちさせるためにも正しい方法でお手入れをしてください。洗濯・クリーニングの方法やアイロンの温度など、下の表を参考にしてください。
洗濯 | アイロン | |
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木綿 | 家庭用の洗濯機で洗えます。色落ちすることがありますので、他の洗濯物と一緒には洗わないでください。 | 高温でアイロンを当てても問題ありません。 皺が強い場合、スチームを使って伸ばせます。 |
正絹 | 絹糸に撚りをかけて織ったちりめんは、水に濡れると縮んでしまいます。洗濯は避け、ドライクリーニングしてください。 | 中低温で当て布をしてください。 水分に弱いのでスチームは使えません。 |
レーヨン | 絹と同じで、水に濡れると縮みます。風合いも変わってしまいますのでドライクリーニングしてください。 | 中温で当て布をしてください。 スチームは使えません。 |
ポリエステル | 水に濡れても縮まないので洗濯機で洗えます。 | 中温で当て布をしてください。 スチームは使えません。 |
風呂敷を使わないときは、しわにならないようたたんでから日光に当てないようタンスなどに片付けてください。日光に長時間あてると変色することがあります。ポプリやハーブなどを一緒にいれると防虫・香りづけの効果もあります。